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2014年04月07日

入社3年目からのキャリアデザイン(Part1)

入社3年目からのキャリアデザイン(Part1)


新年度を迎え、進学や就職、異動等で環境が変わったり、また一つ経験を積んだりと、気持ちを新たにされている方も多いのではないでしょうか。

個人的には、“新年”よりも“新年度”の方が区切りもよく、様々なスタートとしてしっくりくる感じがするので、結構大事にしています。
(これこそ、サラリーマン病ですかね...(^^;)

新年度は、“入社して何年目”といった基準となるタイミングでもあり、去年まで新人だった社員への「2年目からは新人扱いしないぞ!」といった厳しくも期待を込めた言葉や、丸3年を迎えた社員への「まずは3年間、よく頑張った!」、「“入社3年以内の離職ジンクス”をクリアしたな!」といった激励や冷やかしの言葉も飛び交う時期ではないでしょうか。

私が働く会社でも、「2年目からはベテラン社員だ!」といった社風があり、いろいろと洗礼を受けながらも、必死に食らいついて頑張った記憶があります。


この“入社して何年目”といった基準。

特に、入社3年目くらいの頃が、すごく考えさせられる時期ではないでしょうか。


今回より、「入社3年目からのキャリアデザイン」をテーマに、3回に分けてブログを書かせていただきます。

様々な文献を参考に、個人的な考えも踏まえながらの記事となりますが、お付き合いいただけたら嬉しい限りです。

入社3年目からのキャリアデザイン(Part1)



▶︎入社3年目のジレンマ...

入社3年目という時期は、仕事もひと通り理解し、自分で出来ることも増え、時間的な余裕が出てくるタイミングでもあるかと思います。

その時に、周りの上司や先輩と自分を重ね、将来に対して「漠然とした不安」を覚えることも少なくないのではないでしょうか。

自分の将来像を充分にイメージ出来ない状態で、部下や後輩の指導や育成もスタートし、自分自身の理解もままならないまま、会社の方針や方向性等についても伝えていかなければならないという状況も出てきます。

また、組織の制度崩壊等も相まって、「漠然とした不安」はどんどんと大きくなっていきます。


人事コンサルタントの城 繁幸さんは著書『若者はなぜ3年で辞めるのか?年功序列が奪う日本の未来』(2006.09)で以下のように述べています。

年功序列や終身雇用といった制度を維持することが出来るのは、「組織が一定の成長を維持すること」が前提である。
つまり、これから先も何十年にわたってずっと成長が維持でき、間違っても赤字等はありえないという状況でなければ、この制度は維持出来ない。
しかし、長引く不況やグローバル化に伴う競争の激化等の環境下において、すでにこの制度は崩壊し始めている。
結果的に大半が“働き損”で終わることになるはずである。





苦労の就職活動の末、ようやく内定を獲得し晴れて会社に就職したにも関わらず、ホッとするのもつかの間、会社が一生涯の安定を保障してくれる時代は終わりました。
これからは、就職後も将来のことを自分自身で考え続けなければいけなくなりました。


結果的には、雇用のミスマッチによる入社3年以内の早期離職や、キャリアチェンジを意識しての転職につながっているのではないでしょうか。


入社3年以内の早期離職は社会問題にもなっており、特にこの沖縄県においては全国と比較しても差は大きく、改善に向けた具体的な取り組みが必要とされています。


<大卒者入社3年以内の離職率>
沖縄県:45.4%
全国 :30.9%

<参考資料>平成24年5月沖縄県商工労働部雇用政策課「沖縄県の雇用について」


沖縄県は産業構造上、ホテル等の観光産業やサービス業のウエイトが高く、離職率が高くなる業種が多いことからも、一概に全国との単純比較は出来ないですが、だからといって無視出来る数字ではありません。

※全国では、離職率のそこまで高くない第二次産業の製造業が、全体の離職率を均している。



▶︎定着と早期離職について

それでは、定着と早期離職について考えてみましょう。

ここは、まず一般論ですが・・・

定着についてですが、従業員が定着している企業では、教育研修(人材育成)の実施と、業務上の経験を通して、従業員のスキルが高まり、企業の生産性向上につながります。

従業員は、スキル獲得やキャリアを積むことにより、働きがいを感じ、モチベーション向上へとつながります。

定着するということは、企業と従業員の双方にとって、メリットがあると考えられます。


それに比べ、早期離職は、企業と従業員双方にとって、大きな損失(デメリット)をもたらします。

企業側は、採用コストや採用後の研修コスト、従業員が生み出す利益等の投資コストを失います。

従業員側は、十分なスキルを獲得する前に離職となると、別の仕事にすぐ就くことは難しく、また別の仕事に就いても、新しい環境で一から人間関係構築、スキル習得、キャリア形成のやり直しになることが少なくありません。


以上のとおり簡単にですが、定着と早期離職についてまとめてみました。
こちらはあくまで一般論ですので、賛否両論ありそうですが...。



▶︎若手ビジネスパーソンの早期離職は、そもそも良くないことなのか?

そもそも、早期離職は良くないことなのでしょうか?

従業員の視点から考えますと、複数のキャリアを経験することで、価値観の多様性や適応力の向上につながり、魅力的な人材となるのではないかといった考え方もあります。
例えば、キャリアアップ転職や、ステップアップ転職といったキャリアチェンジが挙げられます。

しかし以前のブログにも書いたとおり、個人的にはあまりにも自己に、強く重きを置いたベクトルが向くことには少し違和感を感じます。

「自由」「自由」と語り、そして追い求めることは、それこそ個人の“自由”ではあるけれど、自分自身が組織の経営者となることも表裏一体であり、組織の視点からすると、また違った課題も見えてくるのではないでしょうか。

いずれにせよ、一方に片寄った思考は避けたいと考えています。
(もちろん、最終的には“自分の人生”なので、片寄ってしまうことは致し方ないとも思えるのですが…。)



▶︎“自律的なキャリア形成”が重要

それでは、どういったスタンスで、働き方で、これからの未来を切り開いていけばいいのでしょうか。

それは、“自律的なキャリア形成”を目指すことだと私は考えます。

“自律的なキャリア形成”とは、個人が主体的に自身のキャリアの将来を考え、自らその能力向上の手法を選んで行うという考え方です。


慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授の高橋俊介氏も、論文で「個人の視点と企業の視点双方から、自律的なキャリア形成のニーズが高まってきている」と述べています。

■個人の視点からのキャリア自律

①若手上昇志向の人の市場価値向上に向けたキャリアアップ的視点でのキャリア自律。
②雇用流動化への対応、雇用に関する危機感により動機付けされる、やや自己防衛的なキャリア自律。

③成果主義のプレッシャーとポスト不足、リストラ不安の中、自分らしい生き方、自分らしいキャリア、自己充実感の高いキャリアを目指す動き。

■企業の視点からのキャリア自律支援

①個人が自ら先読みをして自分のキャリアを切り開き、自己投資する、会社はキャリアを誘導するという、より自律的行動を支援するという考え方

② 企業のコアコンピタンシー強化のためのキャリア自律という考え方


論文『自律的キャリア形成の実態と課題 経営の視点と個人の視点を統合したキャリア自律概念(2003 年3月)』(慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授 高橋 俊介)
crl.sfc.keio.ac.jp/mt/www/CRL2003_Takahashi.pdf




それでは、具体的にどのようにして“自律的なキャリア形成”を目指していけばいいのでしょうか。
次回はその方法について書いてみたいと思います。


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